Born on a Baseball Planet
金足農業の吉田輝星と大阪桐蔭に考える甲子園と投球制限、球数制限問題について Koshien and Pitching Limit

3日程前、ふとしたことからした1件のツイートから今まで考えていたことが溢れ、第100回甲子園大会の決勝となる今日までに12件を数える連続ツイートとなりました。

 

それは大阪桐蔭の、準々決勝となる浦和学院戦までの以下のような先発投手の並びを見てのツイートでした。

 

1回戦 Vs. 作新学院 先発投手: 柿木蓮

2回戦 Vs. 沖学園 先発投手: 根尾昂

3回戦 Vs. 高岡商 先発投手: 横川凱

準々決勝 Vs. 浦和学院 先発投手: 根尾昂

 

 

このツイートに対する反響は大きく、日本時間で8/21となる現在、リツイートが50件、ファボも150件を数えました。

 

なぜこう思ったかというと、済美高校の安樂智大投手の例があったからです。

 

 

安樂智大投手は、5年前にあたる第85回の春の選抜甲子園大会に2年生として出場し、延長13回完投を含む計5試合46イニングで772球を投げてチームは準優勝。しかしその疲労や故障からその後思うような投球ができず、3年生として迎えた翌年の夏の甲子園予選愛媛県大会でも3回戦で敗退しました。

 

2014年のNPBドラフト会議にて東北楽天ゴールデンイーグルスから1巡目指名され入団するも、2017年までのプロ入り3年間で1軍戦26試合に登板して5勝10敗、防御率3.50となっています。

 

なりより、甲子園大会以外での計測なので非公式ではありますが、現在メジャーリーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手(160km/h)に次ぐ高校野球では歴代2番目に速いのではないかと言われる157km/hを計測したスピードボールは鳴りを潜め、130km/h台から良くても140km/h台中盤となるストレートは見ていて痛々しいものがあります。

 

 

 

しかしこれらの思いとは対照的に、メディアの報道は熱くなるばかり。特に地元秋田県ではショッピングモールなどで大規模なパブリックビューイングが行われるなど、秋田勢103年振りの決勝進出、東北初の甲子園制覇への期待を金足農業と吉田輝星くんが一身に背負っていることが見て取れました。

 

 

 

ぼくは選手を酷使しての連投で勝ち上がることは一種のチート行為、やってはいけない行為だと捉えますが、それで勝てる以上、やり続ける監督が出るのは想像に難くありません。

 

その判断を各チーム、監督に任せて来たのがこれまでで、それでもこうして酷使され、故障したり将来の可能性を絶たれる選手が出続けるのであれば、高野連として球数制限のルールを制定して酷使から選手たちを守ってあげるしかないと考えています。

 

いくら素晴らしいプレーをする選手たちであっても、まだ18歳の発展途上の身体であることは常に考慮するべきだからです。

 

 

 

それに対して、球数制限ルールは好投手を複数人用意できる強豪校と1人の好投手に頼るしかない公立校の戦力格差をより拡げるものだという返信をもらいました。

 

その意見に対するぼくのスタンスはこうです。

 

 

ちょうどこのブログは、アメリカ東海岸とプエルト・リコを拠点とする独立リーグ、エンパイアリーグでのシーズンを終えて帰国する空港のロビーで書いています。

 

この独立リーグでは、1チーム平均3人程度のピッチャーと野手を兼任する2WAYいわゆる二刀流の選手がおり、ぼくもそのひとりでした。もっと言えば、サードも兼任する今年のリーグで唯一の3WAYプレーヤーとしてのシーズンを終えた直後だったのです。

 

ですから、野球の本場アメリカという国ではピッチャー、もっと言えばポジションに対する考え方が日本とは大きく異なるということをまさに実感していました。

 

そしてそう思ったのは今回が初めてではなく、あるきっかけがありました。それは2015年に開催されたU18ベースボールワールドカップを観たときのことでした。

 

 

 

 

ここまでは基本的には大阪桐蔭の戦略的な優位性と、アメリカでの体験を基にした投手複数人制の提言などが主な論旨でした。

 

しかし、準決勝の金足農業対日大三高の試合で、再びエースの吉田輝星くんが完投で勝利。球数は134球に上り、1回戦から合計749球に達したことが報じられると最も伝えたいことは変化しました。

 

 

 

さらに、

 

 

 

このツイートを見て悲痛な叫びと表現してくれたフォロワーさんがいましたが、まさにその心境でした。

 

吉田輝星投手が股関節痛を患っているとの情報をくれたフォロワーさんに対しては、以下のように祈るような気持ちのリプライを返すほど。

 

 

決勝は日本時間で今日の14:00から。こちらは深夜1:00ですが、ぼくもワシントン・ダレス空港からチェックしようと思います。

 

大阪桐蔭と金足農業。どちらが勝っても、負けても、有望な選手たちがひとりでも多く、後悔なく、幸福で息の長い野球人生を送れることを心から願っています。そして周りにいる人間たちは、そのために出来る限りの努力をしなければいけないと思います。

 

冒頭の写真はメジャーリーグのナショナルズ パーク。みんなが応援した甲子園のスターが、MLBの強打者たちをバッタバッタと薙ぎ倒し大活躍する姿が観られるなら、それは誰もが思い描く夢の風景のはずですから。

 

 

 

—- 甲子園大会決勝終了後の追記 —-

 

みなさんもご存知の通り、第100回甲子園大会の決勝は13-2で大阪桐蔭が勝利し、史上初の2度目の春夏連覇を飾りました。大阪桐蔭のメンバーと全ての関係者の方、心よりおめでとうございます。

 

一方で、予想通り先発登板となった金足農業の吉田輝星くんは、5回132球を投げ12失点。球数はこの甲子園大会だけで881球、秋田県予選も通算すると1517球に達してしまいました。

 

試合後に吉田くん本人が「体に力が入らなくなった」と語ったように、映像越しにでも疲れていることは容易に見て取れ、その中で打たれても打たれてもマウンドで投げ続ける姿は痛々しくさえありました。

 

多くのツイッターユーザーからも、頼むから替えてくれと半ば懇願するような書き込みが寄せられていました。

 

 

ドラフト1位指名レベルの逸材と評する声もありましたが、それは甲子園で酷使される以前だったら。おそらく持って生まれた鉄腕や身体の柔軟性、強運があってさえ自分のピッチングができるのはあと5年もないかもしれません。

 

それほど、この短期間の投球過多は深刻で、人生を左右するレベルで身体に不可逆的なダメージを与えるものでした。

 

そして試合後、やはり吉田輝星くんは無理をしていたことが報じられました。

 

 

このような酷使を今後繰り返さないために、高校野球はどのような球数制限のルールを取り入れれば良いのでしょうか?

 

それを具体的に提案したのが以下のツイートです。

 

 

「120球投球したピッチャーは、次の試合に先発登板できない」

 

120球というのは、球数を減らせば完投も充分可能な数字です。そしてどうしてもそのピッチャーにまた投げさせたければ、次の試合で先発投手をすぐに降ろして投入することも可能です。

 

選手を守るために制定されたルールをかいくぐって1球で投手交代を行うかどうかは、まずは各監督に任せてみてもよいのではないでしょうか?

 

まずは高野連として、投球過多は悪だと意思表示することが大事です。

 

 

 

新しいルールを制定するというのは難しいことで、初めから最適なバランスで設定するのは不可能だと思います。何年かかけてじっくり調整する必要があるでしょう。NPBがクライマックスシリーズの制度を導入したときもそうでした。

 

それでも、今がその1歩を踏み出すべきときだと思います。これは高校球児たちのためのルールであり、日本の野球界の未来のためのルールでもあるからです。

 

 

 

Equipment: iPhone

Argentina Asia Australia Austria Belgium Czech Empire League Europe Germany Independent League Italy Japan Latin America Mexico North America Oceania Puerto Rico Slovak South America Switzerland Tokyo Big6 UK USA アジア アメリカ アルゼンチン イギリス イタリア エンパイアリーグ オセアニア オーストラリア オーストリア スイス チェコ ドイツ プエルトリコ ベルギー メキシコ ヨーロッパ 中南米 北アメリカ 南アメリカ 日本 東京六大学 独立リーグ