Born on a Baseball Planet
ブランクから復帰してアメリカ独立リーグや海外でプロ野球選手になってわかった5つのこと Baseball & Gap

こんにちは、返田岳です。このブログでも何度かお話ししているように、ぼくは大学の野球部で学生コーチになってから5年間、選手としてプレーしていない、いわゆるブランクの期間がありました。

 

そのブランクを経て選手として復帰してから、ちょうど同じ期間となる5年目の今年、初めてのアメリカ独立リーグでのシーズンを終えた空港でこのブログを書いています。

 

独立リーグや海外でプレーしようとする選手たちの中には、高校や大学を中退したり野球部を退部したりといった、日本で言われる野球選手としての”既定路線”を外れた選手たちも数多くいることと思います。そんな選手たちの復帰への背中を押せたらという気持ちから、このブログを書いてみようと思います。

 

 

 

1. 野球のやり方は忘れない

 

まず最も大事なことです。あなたが小学校から中学あるいはボーイズ、シニア、そして高校野球、また大学と10年近くかそれ以上続けて来た野球。そのプレーの仕方を忘れることはありません。

 

日本ではとかく毎日素振り何本だとか、1日休んだらそれを取り返すのに3倍掛かるだとか、いま自分より上手い選手に追い付くためにはその選手より練習しなければならないだとか言われがちですが、そんなことはありません。

 

マッスルメモリーと呼ばれる、一度鍛えた筋肉は衰えた後でも再び鍛え直すことではじめに肥大したときよりも早く以前の状態に戻ることが最近の研究で伝えられましたが、筋肉に関してはもちろん、メカニックや知識に関する部分も同様です。

 

あなたがどうやってボールを投げていたか、ボールを打っていたか、コンタクトしたボールを遠くに飛ばしていたか、あるいはゴロの捕球の仕方、走塁、試合の流れの読み方やキャッチャーであれば配球に至るまで、驚くほど多くのことをよく覚えていました。

 

先ほど挙げた日本での練習に対する考え方を否定するわけではありませんが、ブランクがあるあなたがそれを考える必要はありません。そして、それは考えなければ考えなくて済む程度のものだと思います。

 

 

 

2. プレーしていない間も向上している

 

あなたがブランクを経験することになった理由は何でしょうか?野球を嫌いになってしまったのでしょうか、それとも野球は好きなまま、ただプレーする場を見つけられていないのでしょうか?その理由にもよりますが、プレーしていない間もあなたの野球技術は向上しています。

 

そもそも技術的な向上とは、どうやって起こるのでしょうか?

 

まず、こうやったらよくなるのではないか?という仮説が立ちます。これは自分の感覚の中で自然に発生する場合、何かを見たり調べたりして発生する場合、コーチや指導者から指導を受けて伝えられる場合の3つがあると思います。次にそれを練習、試合の中で検証する過程があります。そして、その仮説が正しいものであって動作や成績の改善が確認できれば、技術的に向上したと言えるのではないでしょうか。

 

つまり、この中で自然的に発生する仮説と自主的に見聞きして発生する仮説は、プレーしていない間も自分の中にどんどんストックされていくのです。

 

また見聞きして溜まっていく仮説に関して言えば、あなたがプレーしていない数シーズンの間にも野球界の技術革新は起こり続けています。フライボール革命や、宮川理論のような考え方、ツーシームやスラッターなど新球種、または守備シフトの取り方など、新たな技術革新が起こるたび、あなたが見聞きする情報の質はアップデートされていくのです。

 

試合での検証はできませんが、かつて野球をプレーした人間であればふとしたときに素振りやシャドウピッチングなどはしてしまうもの。その中でゆっくりですが検証も行われ、ブランクが明けたときには辞める前とは少し違った感覚を手に入れていることと思います。

 

 

 

3. 怪我があれば完治している

 

こちらも重要なことだと思います。あなたがブランクを経験する前、どこか痛いところはありましたか?試合に出るために痛みを押してプレーしていませんでしたか?

 

もちろん怪我の程度やブランクの期間にもよるでしょうが、ぼくが経験した5年のブランクののち、痛いところは全てなくなっていました。

 

もともと怪我が多い方ではないのですが、中学時代には疲労骨折からの腰椎分離症や、肘軟骨の離断性骨軟骨炎つまり関節ネズミのなりかけなどを経験していました。

 

毎日100球近くも投げる生活から、年間に投げる機会があっても10回以内という生活は現役を続ける意志があればなかなかできないことかも知れませんが、この経験からぼくは怪我を治す一番の近道はとにかく休むこと、使わないことだと考えています。

 

深刻な怪我に悩んでいる選手には、1度辞めたつもりで休んでみたら?と提案することもあるほど。それは極端な話としても、怪我が治る。これは意外と重要なメリットだと思います。

 

 

 

4. 下手になることや置いて行かれることはないが、その5年分若かったらとはとても思う

 

あなたがずっと続けて来た野球、1の項目でも話したように1年や2年プレーしなかったくらいで急に下手になることはありません。

 

また元も子もない言い方に聞こえるかもしれませんが、野球をやっている選手のほとんどはプロ野球選手になれません。そして日本の社会システム、野球のシステムの中で、プロ野球選手になれなかった選手のほとんどは野球を辞めてしまいます。

 

ですから、ブランクの間に野球が大幅に下手になることも、あなたがプレーしていない間に周りの選手やかつてのチームメイトたちが遙か先のもう追い付けないところに行ってしまうということもほとんどありません。

 

例えば、ぼくが5年のブランクを経て現役復帰したとき、40人近くいた大学の同期で野球を続けていたのはわずか2人でした。そしてもうすっかり鈍った体で、おまえ頭おかしいなと、でもそれができるお前が羨ましいよと伝えてくれました。

 

しかし、悪いことは何もないのかといえばそうではありません。

 

大学の同期の95%が引退していたと書いたように、5年のブランクを経て現役復帰したとき、ぼくの年齢は25歳でした。そしてそこからついにアメリカ独立リーグのレベルに到達した今年、それは30歳のシーズンとなっていました。

 

25歳という年齢はNPBのチームからドラフト指名されるには賞味期限と言われる年齢であり、日本の独立リーグではそのあたりを機に引退を考える歳です。実際に、ぼくがプレーしたベースボールファーストリーグのゼロロクブルズにも、ぼくより年上の選手は4人しかおらず、そのうち3人がそのシーズンで退団しました。

 

アメリカ独立リーグでプレーした今年も、さらに上のリーグでプレーしようと思ったときに、年齢はネックになる可能性があるとトライアウトのときから言われていました。

 

やはり若さは大きな武器なのです。

 

ですから、ブランクの期間があなたの野球の実力に大きく影響することはありません。しかしその期間分若かったら、もっとできることがあったというのは事実かもしれません。

 

 

 

5. 野球やるのって楽しいって気づけた

 

ここまで読んでくれたみなさんに、最後に伝えたいことはこれです。今、ぼくは野球やるのが楽しくて仕方ありません。

 

考えてもみてください。毎日朝から晩まで野球のことを考えられて、寝て起きても野球のことを考えて、周りはみんな野球選手、元マイナーリーガーと対戦したり、チームメイトがチャンスを掴んでアメリカ独立リーグ最高峰と言われるアトランティックリーグに移籍したりと、みんな本気でメジャーリーガーを目指しています。

 

その中でリーグ唯一の3WAYプレーヤーとして打率.300を残すことができ、多くのチームメイトや相手チームの監督からもいいシーズンを過ごしたなと言ってもらえる。野球をやっていてこんなに幸せなことが他にあるでしょうか?

 

ぼくは野球をやっていない間も充実した時間を過ごしていたので野球に関わっていることだけが幸せではないと思っていますが、何かと比べるのではなく、とても幸せな野球人生を送っていると思います。楽しくてしょうがないです。

 

そしてこれは、一度野球を辞めたからこそ心底実感できたことなのではないかと思っています。

 

ですから、野球が楽しくなかったら、今いるチームが好きでなかったら、人生の他の可能性が気になるようだったら、思い切って野球やめてみましょう。そしてまたやりたくなったら、いつでも戻ってきましょう。野球は決してあなたから逃げてどこかに行っちゃったりしません。

 

 

まとめ

 

5年のブランクから復帰して今年アメリカ独立リーグでフルシーズンを過ごして、気づいたことなどを書いてきました。

 

良いことも悪いこともいろいろと書いてきましたが、これがぼくの野球人生であって他のどんな可能性もなかったのではないかと思っています。つまり自分の人生に納得しているのです。そしてそれが最も大事なことではないかと思っています。

 

辞めたければ辞めていいし、復帰したければすればいいんです。本当は続けたいのに辞めたいと言っているときは自分が一番それをわかっているはずですし、本当は復帰したいのに無理だよねと思っているならば復帰して成功しないと意味がないのか、それとも純粋に挑戦することにワクワクしているのかを問いかけてみてください。答えが出ます。

 

そして間違えていたら、また戻ってやり直せばいいんです。いつでも、どこででも。

 

“Never too late.”

 

 

 

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