Born on a Baseball Planet
メキシコで独立リーグのシーズン後にアマチュアリーグにスカウトされてプレーした話 Bravos de Tadzibichen

メキシコの独立リーグ、リーガメリダーナでのシーズンは、前回までのブログに詳しくまとめてきたようにぼくの古巣でもあるセナドレス・デ・ラ・モレロスにシーズン最終戦で逆転を許し、プレーオフ進出ならずにシーズン終了となりました(メキシコウィンターリーグ、リーガメリダーナ2018-2019シーズン最終戦 Last game in Liga Meridana)。

 

しかし、メキシコでのシーズンはこれで終わりではありませんでした。今回のブログでは、ひょんなことからスカウトされて2週間プレーした、アマチュアリーグのタッツィビチェン・ブレーブスのことについてお話ししたいと思います。

 

 

シーズン最終戦となった日曜日の翌日、ぼくはヘルマンおじいちゃんのお家で大晦日を過ごすべく、おじいちゃんの住む区画までやって来ました。しかし、おじいちゃんはぼくに食べさせるタコスの材料を手に入れるため、友人の”パンチョ”を探したいとのこと。ぼくらは彼を探して、因縁深いセナドレスの本拠地モレロススタジアムへ向かうことになりました。

 

モレロススタジアムに着くと、そこには”パンチョ”たち10人近くの大人が集まって昼からビールを飲みながら談笑していました。もう少しすればタコスも来るからお前も食っていけといって、ぼくにもビールが差し出されました。みんな何の仕事をしているのかわかりませんが、陽気な良い人たちであることは確かです。

 

その中にはかつて中日ドラゴンズでプレーした通称”ブラックスネーク”、マーチン・バルガス投手もいて、日本人投手に特徴的なレッグキックを誇張した投球フォームなどを披露してみんなを笑わせてくれました。

 

タコスも到着してみんなでわいわいしていると、集まっている大人たちのなかでも年配の男性がバルガス投手による通訳を介して「今週末俺たちのチームでプレーしないか?」と言ってきました。面白そうだと思ったぼくはふたつ返事で了承。これがぼくとタッツィビチェン・ブレーブスとの出会いだったのです。

 

 

週末になるとモレロススタジアムでぼくをスカウトしてくれたギャスパーが迎えにきてくれて、一緒に車で今日の試合会場であるイサマルへと向かいました。車の中で、彼はこのチームの選手ではなくコーチだということ、また黄色い街並みの有名なイサマルは人気の観光地なので、ぜひまた改めて観光に来るべきだということを教えてもらいました。

 

1時間ほど車を走らせて球場に到着、いや、ここを球場と呼んで良いのでしょうか。それは確実にいままでの野球人生でプレーしたどこよりも個性的な球場でした。まず、ライトのフェンスの手前に公道が走っています。ホームから引かれたファールラインが、ファーストを過ぎた後にいったん道路を横切って、ライトフェンスに到達する様。シュールすぎます。

 

そしてバックネットなし。ホームベースの後ろにボールを遮るものは何もなく、斜めにちょっとした小径があり、そのまま民家へと繋がっています。民家の住人も小径まで出て石段に座って野球を観たりしているのですが、家の方にボールが飛んで行っても怒るわけでもなく、かといって笑顔でボールを取ってくれるというのでもないので、実際のところどう思っているのかまったくわかりません。

 

 

あちこち回って球場の写真などを撮っていると、次第にチームメイトたちが集まってきて、キャッチボールをして、オーダー発表があって、試合開始。3番キャッチャーで先発でした。

 

初回。先週マーチン・バルガスさんに突然200本のティーバッティングさせられたせいで痛めた左手首をかばうようにほぼ右手一本でスイングすると、打球はライトの公道とフェンスを越えてホームラン。チームメイトも一気に盛り上がり、この回一挙8得点。ぼくを呼んでくれたギャスパーも嬉しそうに、サードコーチャーとして笑顔でハイタッチしてくれました。

 

ぼくはこの試合もう1本ホームランを打って、ブレーブスはこの試合でシーズン5戦5勝の戦績となりました。

 

試合の後にはみんなで選手の奥さんたちが作ってきてくれたタコスやなにやらよくわからないメキシコの美味しいものをたくさん食べて、ビールの1リットルのボトルも2本くらいご馳走になって、帰り際にはみんなが来週も来てくれるのか?来てくれるんだろ?と聞いてきれて、来週の約束をしてこの不思議なイサマルの球場を後にしました。

 

 

翌週。今度はタッツィビチェンのホームグラウンドでの試合でした。この試合はぼくのメキシコでの最終戦になると知って、ぼくのホストファミリーや友達やたくさんの人たちが観に来てくれました。

 

ぼくはこの試合でも観に来てくれたみんなの前でホームランを放つことができ、6打数3安打。チームの6連勝に貢献し、助っ人としての役割を果たすことができました。

 

このチームでできたたくさんの友達が、また来週も来てくれよ!俺たちはお前とこのシーズンずっと一緒にプレーしたいと思ってるよ!と言ってくれましたが、ぼくは彼らに伝えなければならないことがありました。

 

今週の金曜日に日本に帰るから、今日が一緒にプレーできる最後の日なんだ。

 

みんなぼくがここメキシコに住んでいると思っていたようで、びっくりしたり、残念がったりしてくれました。そしてタケルがチェックできるように、Facebookで毎週試合結果を報告するからな!と言ってくれました。みんなとセルフィーを撮ってタッツィビチェンを後にします。

 

 

 

 

タッツィビチェンでは、もしプレーオフに進出していたら決して会うことはなかったたくさんの友人たちに出会いました。メインでプレーしたリーガメリダーナの中にも外にもたくさんの友達ができた幸せな滞在だったな、と地球のほぼ裏側にあるメキシコのことを考えるたびにそう思います。

 

 

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