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【南アメリカカップ COPA SUDAMERICANA 2】大会1-3日目の戦況とチームメイトとの壁

今シーズン、アルゼンチンの第二都市コルドバにてアルゼンチンの野球トップリーグであるリーガアルゼンティーナ Liga Argentina 初の日本人選手としてプレーしていたぼくでしたが、ここまでの1ヶ月間で出場機会はたったの1度。打者2人に対する投球で、四球とゴロアウトという内容のみでした。

 

4日間で4試合を戦うこのトーナメントで出場機会がなければ退団も辞さない覚悟で臨んだ南アメリカカップでしたが、その開幕前にひょんなことからエクアドル代表チームの外国人選手たちと仲良くなったというのが前回までのお話。

 

今回のブログでは、ついにトーナメントが開幕。ぼく個人としての出場機会と同時に優勝のゆくえについても追って行きますが、そんななかエクアドルの選手をきっかけにある問題が顕在化します。

 

 

第1日目 9/26-Thu

 

 

 

大会のメインとなる日程は金曜日から週末までを含めた3日間ですが、過密な日程を緩和するためか地元コルドバのチームであるファルコンズ・デ・コルドバ Falcons de Cordoba(アルゼンチンリーグ1位)とコンドレス・デ・コルドバ Condores de Cordoba(アルゼンチンリーグ2位)による開幕戦が大会第1日目の木曜日に組まれていました。

 

翌日の初戦に合わせて、この日までにはパーラとカブレラ以外のCSエメレク CS Emelec(エクアドルリーグ1位)のメンバーやアンデス・ウォリアーズ Andes Worriers(チリリーグ1位)も到着しており、たくさんの選手や観客がスタンドを埋める開幕戦となりました。

 

試合は序盤からファルコンズの打線が爆発。5回コールド15-1でファルコンズの大勝ながら、途中デッドボールから乱闘騒ぎに発展、3選手が退場処分となりました。波乱の幕開けです。

 

 

 

第2日目 9/27-Fri

 

 

 

初めて参加全チームが顔を合わせる大会2日目は、ブエノスアイレスからヴァレス Varez Sursfield(アルゼンチン・ブエノスアイレスメトロリーグ1位)も到着して賑やかな1日となりました。

 

第1試合は、アンデス・ウォリアーズ(チリ)がヴァレス・サースフィールド(アルゼンチン・ブエノスアイレス)に8-6で勝利。3試合でも今度はコンドレス・デ・コルドバ(アルゼンチン)がそのヴァレス・サースフィールドに7-2で勝利し、ヴァレス・サースフィールドにとっては厳しい2連敗でのスタートとなりました。

 

2試合は我らがファルコンズ・デ・コルドバ(アルゼンチン)と、個人的に優勝候補のひとつに挙げていたCSエメレク(エクアドル)の対戦。先発の技巧派左腕からミルウォーキー・ブリュワーズのマイナーに所属するジョセフ・パーラ投手への継投で苦しめられながらも、2-1で勝利を収めました。

 

 

 

ヴァレス・サースフィールド(アルゼンチン・ブエノスアイレス)では何人かの日系選手がプレーしており、試合後にそのひとりマウリシオ・ナガハシさんとお話することができました。ナガハシさんはアルゼンチン生まれですが、日本語もネイティブレベル。日本に住むお祖父さんやお祖母さんとお話しするために覚えたそうです。

 

長年アルゼンチンナショナルチームでプレーしており、かつてはタンパベイ・レイズのマイナーでもプレーした経験もあるそうです。ファルコンズでプレーするぼくのチームメイトも、ナガハシさんのことをアルゼンチン最高の外野手のひとりだと話してくれました。

 

 

 

第2日目終了時点での順位は、以下の通りです。

 

1位 ファルコンズ・デ・コルドバ(アルゼンチン)2勝0敗

2位 アンデス・ウォリアーズ(チリ)1勝0敗

3位 コンドレス・デ・コルドバ(アルゼンチン)1勝1敗

4位 CSエメレク(エクアドル)0勝1敗

5位 ヴァレス・サースフィールド(アルゼンチン・ブエノスアイレス)0勝2敗

 

 

第3日目 9/28-Sut

 

 

 

大会も中盤から終盤に差し掛かってくる第3日目は、優勝戦線に残るために落とせない戦いが続きます。昨日事実上の決勝かと思われたファルコンズ戦を落としたCSエメレク(エクアドル)は、第1試合と第3試合の2試合が組まれた厳しい日程に臨みました。

 

第1試合、CSエメレク(4位/エクアドル)対アンデス・ウォリアーズ(2位/エクアドル)は、15-4の大差でCSエメレクが勝利。CSエメレクは、第3試合でもコンドレス・デ・コルドバ(3位/アルゼンチン)を5-3で下し、順位を一気に2位まで上げることに成功しました。

 

我らファルコンズ・デ・コルドバ(1位/アルゼンチン)は、第2試合でヴァレス・サースフィールド(5位/アルゼンチン・ブエノスアイレス)との対戦。この試合、ファルコンズはこのトーナメントに参加していない同じリーガアルゼンティーナのプーマズ・デ・コルドバ Pumas de Cordobaからピッチャー、キャッチャー、セカンドを補強選手として招集し、5-2で勝利を収めました。

 

 

 

第3日目終了時点での順位は、以下の通り。

 

1位 ファルコンズ・デ・コルドバ(アルゼンチン)3勝0敗

2位 CSエメレク(エクアドル)2勝1敗

3位 アンデス・ウォリアーズ(チリ)1勝1敗

4位 コンドレス・デ・コルドバ(アルゼンチン)1勝2敗

5位 ヴァレス・サースフィールド(アルゼンチン・ブエノスアイレス)0勝3敗

 

 

大会期間中は、試合の後は全チームの選手が入り乱れて球場のスタンドに居残り、夜遅くまでビールやワイン(アルゼンチンならでは)を飲みながらコミュニケーションを取るのが恒例になりつつありました。ぼくはあまり遅くまで残ることはありませんでしたが、朝はゆっくりめに起き出してスタンドで第1試合を観戦。同じく起き出してきた相手チームの選手や家からやってきたチームメイトに挨拶して、試合が終わりに近づくと昼食を作って食べ、自分たちの試合に備えるというのがルーティーンになっていました。

 

前回のブログでお伝えした、開幕前に仲良くなったCSエメレク(エクアドル)の外国人選手であるパーラとカブレラはその後も仲良くしてくれていました。そのパーラがこの日、ぼくを心配するような目で見つめながらこんなことを言ってきました。

 

 

 

“お前このチームに友達いるか?大丈夫か?”

 

 

 

“大丈夫だよ。いま隣にいるエリアンもだし、そこにいるエドゥも友達だよ”

 

 

 

そう返しましたが、彼の表情は心配そうなまま。はじめはどうしてそんなことを訊くのかわかりませんでしたが、その表情を見ていて思い当たったことがありました。彼がその質問をする直前に、ここを通りかかったベネズエラ人選手。誰にともなく、早口で何かを言っていました。前回のブログでお話しした、ぼくらが寝泊まりしている部屋で、深夜に音楽をかけたり、電話をしたりする選手です。

 

翌日パーラに会った際にもう一度聞いてみると、想像した通りでした。内容までは口にしませんでしたが、何かぼく悪口のようなことを言っていたようです。

 

 

 

“だから俺はお前のことを心配したんだ。たぶんだけどお前はいい奴だろ?”

 

 

 

と言ってくれます。”やっぱりか”というのが真っ先に浮かんだ感情でした。これまでも、あからさまではないにせよ当たりがキツいと感じたことは一度と言わず何度もあったからです。しかし、こちらがスペイン語がわからないと思って目の前で悪口を言っているとなると、あからさまでないなどという生易しい表現ではなく、完全に敵対されていると考えた方が良さそうです。

 

 

 

それからは彼が誰か他のチームメイトとスペイン語で話していると、それが全て自分の悪口を言っているように聞こえるようになってしまいました。先ほどの話にも出たエリアンやエドゥなどぼくにも仲良しのチームメイトはいましたが、彼らはそのベネズエラ人選手とも仲が良く、例えば大きな喧嘩になったとして必ずしもこちらの味方をしてくれる自信は持てませんでした。

 

ただ、そんな中でもCSエメレクの選手たちは元々どちらのこともよく知らない状態ですから、同じベネズエラ人であったりスペイン語話者であってさえ、どうやら陰で悪口を言っている彼よりもニコニコしているぼくのことを気にかけてくれているらしいのが大きな救いでした。

 

 

ここまで大会第3日目までを終え、全勝で首位を走るファルコンズ。一方ぼくにとっては、チームメイトとの間に横たう深い溝を目の当たりにしてしまった3日間でもありました。

 

トーナメントは最終日へと向かいます。果たしてこのトーナメントを笑って終えることはできるのか。次回の更新をお待ちください。

 

 

 

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