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【メキシコサマーリーグ挑戦記】5週目 海外でアポなし飛び込みでチームを探す方法 Mexican Summer League 5th

リーガユカテカ Liga Yucateca de Beisbol A.C.のトロス・デ・パナバ Toros de Panabaでプレーした翌日の月曜日。リーグプレジデントのペドロからメッセージがありました。

 

 

 

“Thank you for playing for the Liga Yucateca yesterday”

 

“I will ask Mani if you can play for them”

 

 

 

ペドロからのメッセージは、昨日はプレーしてくれてありがとう。マニ Tutul-Hiu Maniというチームでプレーできるかどうか聞いてみるよ、とのことでした。

 

Maniはメリダから南へ60kmほどの街で、ホストファミリーに聞くとマニのアサダ(グリル)は美味しいと口を揃えて言います。とにかく色々期待は持てそうですが、とりあえず今できるのは待つことだけのようでした。

 

 

 

しかし、それから連絡は一向に来ませんでした。水曜日、木曜日、金曜日と刻々と時間は進んでいきます。

 

もう来ないということがわかれば、リーガユカテカの前週にプレーしたリーガメリダーナ2部 Liga Meridana de Beisbol Segunda Fuerzaのアミーゴス・デ・ラ・マデロ Amigos de la Maderoに連絡してプレーするという選択肢もありましたが、前回試合前日深夜になって連絡が来たという前例がある以上、それもできません。もし同じタイミングで連絡が来た場合に、2週連続で当日になってアミーゴスに断りの連絡を入れなければならなくなるからです。それは選手としての信用に傷が付くというもの。

 

こちらからも連絡を取りましたが、結局当日になってもペドロからの返信はありませんでした。リーグ代表という立場ですので、ぼくのこと以外にはしなくてはならないことがたくさんあるのかもしれません。

 

家にいてもその1週間を無駄にすることになってしまいますから、その週はリーガユカテカの試合のうちメリダ市内で行われているものを探して観戦に行くことにしました。もしかしたらロースターに空きのあるチームが見つかるかも知れません。

 

 

 

まず向かったのは滞在している家からほど近いサン・コルネリオ San Cornelioという球場でした。この球場ではドラゴネス・タマシェ Doragones Tamancheとロッキーズ・メリダ Rochies Meridaというチームがプレーして降り、ドラゴネスには昨冬リーガメリダーナのディアブロス・デ・ラ・ボホルケスでバッテリーを組んだピッチャーのジェリーが所属しているはずでした。

 

たとえ試合中であっても、ベンチに友達を見つければ話し掛けるのがメキシカンスタイル。このスタイルはトップリーグのメキシカンリーグまで行っても共通です。ジェリーに声を掛けようと思って探していると、むしろ別の元チームメイトが向こうから話し掛けてくれました。

 

 

 

“Heyyy, what are you doing here?”

 

 

 

ぼくはサマーリーグでプレーするためにメキシコに来たこと、LIBYもどうなるかわからないし、昨週はリーガユカテカのトロス・デ・パナバ Toros de Panabaでプレーしたけど今週はプレーするチームがないことなどを話すと、監督がいる場所を教えてくれました。

 

さっそく話し掛けると、意外にもすでにぼくのことは聞いていて知っているようでした。

 

 

 

“ペドロが昨日連絡くれたんだけど、ロースター登録は木曜日までだから無理だったんだよね。もし必要だと言うことになれば来週また連絡するよ”

 

 

 

とのこと。ペドロ、一応声は掛けてくれていたみたいですが、ちょっと遅めです。ただし彼はリーグプレジデントで昨週は急遽1チーム作ったくらいですから、彼が良いと言えば登録期限を過ぎていても特例でロースター登録くらいはしてくれそうなものです。逆に言えば、そこまでして欲しい選手だと思ってもらえなかったとも言えるのかもしれません。

 

ありがとう、よろしく頼むよと返事して別れて、チーム探しだけして帰ったのでは失礼にあたりますから、しばらく試合観戦していくためにバックネット裏へと向かいました。

 

 

 

“Takeru Sorita!”

 

 

 

と話し掛けられてバックネット裏を見ると、見覚えのある男性がこっちへ来いと親しげに手を振ってくれています。が、誰かまでは思い出せません。これは実は海外あるあるで、こちらは珍しいアジア人ですからみんな一発で覚えてくれるものの、むこうは多くのメキシコ人のひとりなのでよっぽどのインパクトがあるか何度も会った相手でないと覚えていないという現象が発生します。

 

今回もまさにそれでしたが、わからないと言うのも申し訳ないので隣に座って一緒に観戦させてもらうことにしました。すると、その男性から衝撃の事実が語られます。

 

 

 

“No more LIBY”

 

 

 

LIBYは開幕が遅れているだけでなく、今シーズンをプレーすることなくそのままリーグ解散となったようです。

 

LIBYをあてにしてメキシコまで来たぼくにとっては衝撃的ですが、同時にLIBYだけにとらわれることなく広く情報を集めてリーガユカテカなどでプレーし始めたことは大正解でした。今週はそのリーガユカテカでもプレーするチームがないのですが……

 

気を取り直して、名前のわからない彼にお礼を言ってサン・コルネリオの球場をあとにしました。次の行き先は、モレロススタジアム Unidad Morelos。昨冬リーガメリダーナ(1部)で最初にプレーしたセナドレス・デ・ラ・モレロス Senadoresu de la Morelosの本拠地球場です。

 

 

モレロススタジアムでプレーしていたのは、昨週対戦してぼくが6回6失点を喫したブラボス・デ・チェマシュ Bravos de Chemaxとマーチン・バルガス Martin Vargas Bautistaが指揮するコネホス・デ・メリダ Conejos de Meridaでした。

 

2002-2004年シーズンに中日ドラゴンズでプレーしたマーチン・バルガス投手を覚えている方はいるでしょうか?日本では微妙に変化するムービングファストボールをトレードマークに”ブラック・スネーク”の愛称で親しまれたドミニカ共和国出身のピッチャー。日本で3年間プレーしたあとは、韓国KBOの三星ライオンズ、台湾CPBLのLa Newベアーズでプレーしたのち、メキシカンリーグのユカタン・ライオンズなどでプレー。現在もメキシコのユカタン州に在住しながら若手選手の育成を行っています。

 

ぼくは昨年末、同じくモレロススタジアムでこの彼に遭遇して仲良くなり、一緒にタコスを食べたり練習に参加させてもらったりしたことがあったのでした(メキシコで独立リーグのシーズン後にアマチュアリーグにスカウトされてプレーした話 Bravos de Tadzibichen)。

 

その彼が監督をしているチームがあるというのを聞きつけて話をしに来たというのが、この球場に来た目的でした。

 

 

 

ぼくの姿をスタンドに見つけると、彼は手を振って呼んでくれました。

 

 

 

“I’m looking for a team to play!”

 

 

 

と言うと、

 

 

 

“I’m looking for you!”

 

 

 

と返してくれました。半分は冗談だと思いますが、それでもそうやってフレンドリーに返してくれるのは嬉しくなります。

 

来週中に連絡するよ、と言ってくれるバルガスに連絡先だけ聞いてスタンドへ戻ると、昨冬タッツィビチェン・ブレーブスにスカウトしてくれたギャスパーコーチや、ヘルマンおじいちゃんの親友のパンチョ、他にもぼくの元本拠地球場ですからぼくのことを知ってくれている観客がたくさんいて、ひとしきり近況を話したり一緒に写真を撮ったりしながら観戦を楽しみました。

 

 

すると、そこへやって来たのはペドロ。このリーガユカテカのプレジデントです。

 

ペドロの言うことを整理すると、

 

 

 

・昨週プレーしたトロス・デ・パナバの監督がぼくを選手としても人間性も評価しており、チームに欲しがっている

 

・しかし先週抜け殻だったチームは今週もコーチがきちんと揃っていなかったり、まだぼくを正式契約させる準備ができていないと判断した

 

・来週には準備が整うはずだし、もしそうでなければ今日サン・コルネリオでドラゴネス相手にプレーしていたロッキーズに入れるという選択肢もある

 

・さらにこのリーグにはもう2つのチームを新設する予定で、そのどちらかには確実にぼくを入れることができる

 

 

 

とのことでした。だから安心してくれ、と言ってくれます。この世界に絶対はないのは確かですが、今週やれるだけのことはやったのではないかと思えました。

 

ドラゴネスか、ロッキーズか、バルガス監督のコネホスか、先週プレーしたトロスへ戻るのか、はたまた新設の2チームか。どこかからの連絡が来ることを願ってこの日の球場をあとにしました。

 

 

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