前回のブログに書いたように、ヤンキースタジアムでのはじめてのMLB観戦はとても良い体験でした。ヤンキースは負けてしまいましたが、メジャーリーグの球場の雰囲気を存分に感じることができたからです。
ぼくはヤンキースファンではありませんが、田中将大投手が先発した試合であったこと、そして球場の95%は埋め尽くそうかというヤンキースファンが喜ぶところが見たかったのでしたが、前回それは叶いませんでした。
であれば、もう1試合。ぜひホームチームが勝つところを見届けたいと思ったぼくは、あるひとつの球団の名前を思い浮かべました。現在地のニューヨークシティから、帰国便の離陸するワシントン・ダレス国際空港までの道程で行けるスタジアム。そうです、ワシントン・ナショナルズの本拠地ナショナルズパークです。
ワシントン・ナショナルズは、カナダ、ケベック州モントリオールを本拠地としていたモントリオール・エクスポズが2005年にワシントンに移転してできた球団です。
ナショナルリーグ15球団で唯一ワールドシリーズ出場経験のない弱小クラブでしたが、2009年のドラフト1巡目(全体1位)でスティーブン・ストラスバーグ、同じく2010年の1巡目(全体1位)でブライス・ハーパー、更に2015年にはFAとなっていたマックス・シャーザーを獲得するなどして力を付け、2014年、2016年、2017年と地区優勝を果たす強豪クラブに成長しました。
ナショナルリーグを代表するスター選手となったブライス・ハーパーは、2018年に本拠地ナショナルズパークで開催されたオールスターゲームで、史上3人目となる本拠地選手としてのホームランダービー優勝を果たしたのも記憶に新しいところ。彼のプレーを生で見ることもこの観戦の大きな目的のひとつでした。
ニューヨークからは、長距離バスのグレイハウンドを使ってワシントン・ユニオンステーションに到着。この日はBooking.comで宿を予約していたので、まずは2個50キロのスーツケースを宿に置きに向かいます。
身軽になったのでぐるっと歩いてワシントンD.C.を観光しましたが、ナショナルズパークが楽しみ過ぎてまったく覚えていません。デカい石柱とかありました。
試合開始時間が近づいてナショナルズパークのある方向へ歩き始めると、スタジアムが近づくにつれなんだか赤いひとが増えてくるのがわかります。ひとり、またひとりと小さなハーパーやぽっちゃりしたシャーザーとすれ違うたび、ワクワクとドキドキが倍増していきます。
そしてついに到着。メトロで来る場合はGreenのラインでNavy Yard – Ballpark Stationから歩いて3分。駅を降りれば人の流れでスタジアムに到着できるでしょう。
入場でリュックが大き過ぎて入場できず、フロントに預けるという一悶着がありましたが、無事に入場すればそこはもうアメリカン・ボールパーク。ヤンキースタジアムと同様に、入場ゲートから真っ直ぐ向かいの眼下に美しい天然芝のフィールドが広がっています。
今回もチケットは前日にWebで探しましたが、売り切れていることもなくすんなりと予約できました。ヤンキースタジアムはバックネット裏の4階席でしたので、今回は外野の2階席にしました。ブライス・ハーパーが守るライトの真後ろです。値段はたったの10.60$。Web手数料がちょっと高めでしたが、それでも16$、1900円くらいに収まりました。
ワシントン・ナショナルズがジェフリー・ロドリゲス、マイアミ・マーリンズがチェン・ウェインの先発で始まった試合は、2回にマーリンズが先制。すぐさま3回にナショナルズが逆転すると、5回にマーリンズが追い付いて更に6回に逆転、今度は7回にナショナルズが同点とすると、9回には互いにソロホームランで1点ずつを取って延長へ。
最後は延長10回にマーリンズが満塁から2点タイムリーで7-5とすると、ナショナルズは力尽き敗戦となりました。
この試合はナイターだったので、回が進むにつれて三塁側スタンドに落ちていく夕日がとても綺麗でした。
相手はオーナーが前ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターになったことで今シーズンを投げているマーリンズでしたから、勝ちたいのは山々だったでしょうが、それでもナショナルズファンたちはヤンキースファンとは異なり負け試合でも最後まで楽しんでいる様子が印象的でした。
それは良くも悪くも、勝ちを義務付けられたチームと長年弱小だったチームの差かも知れません。でもぼくはどちらが好きかと聞かれれば、即答でナショナルズパークと答えます。
プレーする選手もそれを観るファンもみんな自分のためにこのスタジアムに集まって野球に関わっていて、そして勝っても負けても明日はまた新しい日が来る。
それはぼくが今年独立リーグをプレーする中で発見して、そしてここメジャーリーグでも共通する、アメリカの野球で1番好きな部分かも知れないからです。
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