Born on a Baseball Planet
【実体験】名字と名前、逆に予約の航空券で飛行機に乗れるか乗れないか?日本発、アメリカ経由、スイス行き、ほぼ世界一周して野球しに行く理由

前回のブログ(アメリカ独立リーグを辞退した理由。今季はメキシコサマーリーグとスイスリーグでプレーします The Reason Not Playing For Indyball)では、今シーズンアメリカ独立リーグのトライアウトに合格していながら、どうしてそれを辞退することにしたのか?それではどこでプレーするのか?どういう経緯で決定したのか?ということをお話ししました。

 

今回のブログでは、まず直近のプレー先をスイスに決定していながら、どうしてアメリカ、ワシントンなどからこのブログを更新することになったのかということをお話ししながら、海外行きに慣れてきて気持ちが緩んできた頃、さらに少しでも安い航空券を求めて海外のいろいろな旅行代理店を通じて航空券を購入するようになってきた頃に一度はやってしまう、”チケット予約時の姓名逆転問題”について、実際の体験談をお伝えしたいと思います。

 

 

前回お話ししたように、スイスとメキシコでプレーする今シーズンのプランが決定したのは、ようやくもようやく、出発予定日3日前の6月5日のことでした。ただしそれより以前から、その決定にあたって考慮すべき要素として航空券に関する調査も進めていました。

 

現状持っているのは【6/8 東京発ボルティモア行き往復チケット】。目的地となる国は、6月半ば~7月半ばの1ヶ月間はスイス、そのあと7月半ば~9月終わりまでの2ヶ月半はメキシコです。そして当然ながら、日本から見てスイスはユーラシア大陸を挟んで西側、メキシコは太平洋を挟んで東側と全くの反対方向にあります。

 

様々なパターンを検討した結果、まず【東京発スイス行き往復チケット】を購入してスイスへ行き、現状持っている【東京発ボルティモア行き往復チケット】の往路便をスイスから帰国する7月半ばに変更、帰国後すぐにボルティモアへ向かい【ボルティモア発メキシコ行き往復チケット】を購入してメキシコへ行くというのが最も安く済みそうだという結論になりました。

 

このプランのポイントは、もともと持っている【東京発ボルティモア行き往復チケット】の行きの便の日程を変更するのにいくらかかるのか?という点でした。もしこれに¥50,000以上かかるようであれば、別のプランを用意する必要がありそうです。

 

 

今回チケットを購入したのは”GO TO GATE”という海外の旅行代理店でした。調べてみるとスウェーデンの会社で、1989年創業、ヨーロッパで5番目に大きな旅行代理店グループのメンバーとのことでした。

 

普段であれば使い慣れている”エアトリ”などで予約するのですが、もともとこのチケットはエンパイアリーグでプレーするために取ったチケット。今回日本から参加するメンバーはできるだけ同じ便で行ったほうが、現地での合流やキャンプ地までのレンタカー代の割り勘など何かと利点が多いということになり、エアトリで売り切れていたこのチケットを他の代理店で探して予約したのでした。

 

 

公式サイトを調べると、日本語対応のオフィスは8:30-14:30とのこと。しかし、オープン時間を待って電話しても一向に繋がりません。音声ガイダンスの後に待機中のアナウンスが流れるのですが、30分繋ぎっぱなしにしても誰も出ない状況です。

 

一旦諦めて、実際の運行を行うアメリカン航空に問い合わせてみることにしました。アメリカン航空にはすぐに繋がりました。しかしそこで言われたのは、耳を疑う言葉でした。

 

“お客様のご予約は見つかりません”

 

でも確かに予約はしたはずだし、料金も支払ったはずです。条件を変えてよくよく調べてもらうと、ぼくのチケットは名字と名前が反対になった、

 

”TAKERU SORITA MR”

 

というかたちで予約されていました。日本語で生活していると馴染みは薄いですが、これは、

 

“SORITA TAKERU MR”

 

となっていなければならないのです。航空券の予約はパスポートの姓名と一字一句同一でなければならないので……?

 

“はい、申し訳ありませんがこのままではご搭乗いただくことはできません”

 

の返答。この場で変更できないかと尋ねてみるも、今回のチケットは旅行代理店を通じての予約なので、代理店からでないと変更できないとのこと。代理店に連絡が着かないと話しても、事情はお察ししますがこちらからはどうにもできないの一点張りでした。

 

 

 

このときわかったのですが、今回のチケットは実際の運行がJAL、それを一部アメリカン航空に販売した席を、GO TO GATEを通じてぼくが購入という、3社が絡んだ複雑な状況となっているようでした。念のためJALにも同様の連絡を試みるも、アメリカン航空と同じく旅行代理店にどうにかしてもらうしかないとの返答しか得られませんでした。

 

一瞬、このまま今回この飛行機に乗ることはできないのではないかという考えが頭をもたげます。オフの間に稼いだお金を注ぎ込んだ航空券ですから、最悪の場合新しい航空券を購入することはできず、このまま今シーズンはプレーできないという可能性も考えました。最悪スイスはあきらめるにしても、なんとかメキシコでのサマーリーグだけは死守したいと思いました。

 

そうなれば、GO TO GATE相手に1時間でも2時間でも繋がるまで粘るしかないと腹は決まりました。出発の日を翌々日に控えてもいたため(本当に乗れるのかわかりませんが)、待機中の電話を繋ぎっぱなしにしながら必要な荷物の買い出しなどに出掛けました。

 

 

 

繋ぎっぱなしにした電話が45分ほど経った頃(電話代も馬鹿になりません)、ふいに電話が繋がり、外国人のものと思しき日本語が聞こえてきました。後で検索したところによると、サポートを東南アジアにアウトソースしているようでした。

 

しかし、今回の予約はJALとアメリカン航空の2社が関わるチケットなので名前の変更はできない、一旦キャンセルして予約し直してもらうしかないとのこと。ではキャンセルの場合いったいいくら返金されるのかと聞くと返金は0円だと言います。キャンセルの意味がありません。

 

それでは困ると、JALからもアメリカン航空からもこちらの代理店から変更してもらうように言われたと粘りに粘って30分超え。ようやくお客様の強い希望により特例でJALに問い合わせるとの返答をもらいました。ただしそれには別料金で¥14,000を請求すると言います。背に腹は変えられないと了承しましたが、それなら電話かメールで問い合わせた記録をきちんと証明してもらわないと払うものも払わないと伝えてその日の電話は終了。「私の上司の上司」なる人物から連絡するが、彼は日本語が話せないので英語での連絡になるとのことでした。

 

 

 

電話を切って冷静になって、ふとGoogleで「航空券 名字と名前 逆」などのキーワードで検索すると、出るわ出るわ。ぼくだけの間違いではないようでした。その中で実際に起こったことをまとめると、

 

・気付かれずにしれっと乗れた(本人も気付いてなかったパターンもあり)

・チェックインのカウンターで訂正してくれて乗れた

・訂正はできなかったが、チェックイン時にここでは搭乗できるが乗り継ぎや復路便に乗れる保証はないことを了承する書類にサインして乗れた

 

の3つが主なパターンでした。Yahoo知恵袋や教えてgooなどの質問サイトで「絶対に搭乗できない」と主張している書き込みは全てルールに照らし合わせて答えているだけで、実際に体験して乗れなかったという例は実は1例も見つかりませんでした。もちろんブログ等で発信しているひとが全てではありませんから、乗れなかったひとも中にはいるかも知れません。それを危惧してキャンセル料を払って予約し直したという例もありました。

 

ちなみに、ぼくと同様に代理店や航空会社に名前の変更申請の連絡を取ったという例もありましたが、その時点で訂正できたという例も1件もありませんでした。サポートにはそもそもその権限はないようで、マニュアル通りにキャンセル・再予約を勧めることしかできないようです。であればGO TO GATEの対応だけでなく、代理店からの変更はできるかのように誘導したJALとアメリカン航空のサポートにも問題がある気がします。

 

 

 

それでぼくはどうだったかと言うと、成田空港のJALのカウンターから無事にチェックイン、搭乗することができました。やはりJALとアメリカン航空の2社が絡んでいるということでその場で名前の訂正はできませんでしたが、アメリカン航空側にも連絡をとってもらって乗り継ぎ便も復路便も問題なく搭乗できることを確認してもらいました。

 

そのときにカウンターでJALの方に確認を取ったところによると、

 

“JALとして姓名が反対になっていることを理由に搭乗を拒否することはない”

 

ということでした。姓名反対の場合は名字と名前のそれぞれがパスポートと同じであることを確認できるので、ほとんど問題にはならないようです。これがスペルを間違えたという場合はまた違ってくるそうですが、それでも同一人物であることがわかる程度であれば大丈夫なことが多いようです。

 

 

 

これが事の顛末でした。乗れるかどうかもわからない飛行機の日程を変更しても乗れなかったら変更手数料の分だけ大損、そもそもあの対応では、きっと変更不可でキャンセル・再予約しかないと言われていたでしょうから、【東京発ボルティモア行き往復チケット】の日程変更はあきらめて、おとなしく【ボルティモア(ワシントン)発スイス行き往復チケット】を購入。晴れて、ほぼ世界一周しながら野球をしに行くこととなったのでした。

 

今後はスイスからアメリカへ戻る便の日程に合わせて【ボルティモア(ワシントン)発メキシコ行き往復チケット】を買ってメキシコへ向かう予定です。

 

 

 

ボルティモア・ワシントン国際空港ではエンパイアリーグをプレーするために渡米した日本人メンバーたちに会えたので、ひとりひとりと握手を交わして、プレーする場所は違うけどお互い頑張ろう、良い結果を報告し合おうと言葉を掛け合いました。

 

昨年このリーグでずっとバッテリーを組んで過ごした井神力投手は、昨年のプレーを評価されてエンパイアリーグ選抜チームに選ばれました。この選抜チームの詳細は追って井神投手のブログでも紹介されると思いますのでそれを待ちたいと思いますが、彼にとってわくわくするようなシーズンになりそうです。キャンプ地へと向かうメンバーとは別れて選抜メンバーと共にさっそく試合へと向かう井神投手の背中は輝いて見えましたが、ぼくはぼくの選んだ道で今シーズンを素晴らしいものにしようと思います。

 

後日談ですが、選抜チームの開幕戦は雨天中止になったとあって持っているのか持っていないのかよくわからない井神投手。通常のキャンプに合流してからも、昨年のキャンプ(【アメリカ独立リーグ挑戦記】エンパイアリーグトライアウト4日目、合格と不合格の狭間で アメリカ滞在7日目 Empire League Day7)を同室で過ごしたメンバーの写真を送ってくれたりして、とても元気そうです。そのメンバー、ショーンもたまにこのブログを見てくれているようなので、このブログの冒頭に彼の写真を使わせてもらいました。こちらのドラゴンボールの写真なども、彼のお気に入りだそうです。

 

 

ところで、GO TO GATEのサポートが約束してくれたJALへの問い合わせが一体どうなったかというと、出発の前日に家族と食事をしていたところに突然ロンドンの番号から1本の電話が掛かって来ました。出てみると、

 

“How are you? お前の予約の名前の変更はできなかった!理由はその便がJALとアメリカン航空のコードシェア便だからだ!OK? See ya!”

 

というような内容を早口の英語で捲し立てられて電話が切られました。これではサポートが言ったことを時間を空けて別の人間が言い直したに過ぎないし、JAL側に確認を取ったことの証明には全くなっていません。

 

ただしその時に言っていた¥14,000の請求もないし、飛行機にも無事に乗れたので問題はないといえばないのですが……。最後まで不思議な代理店でしたが、帰国便の搭乗がまだありますので(そしてこれもオプションで付けた日程変更の必要がありそうなので)次回はもう少しスムーズに行くことを願うばかりです。

 

 

 

 

— 追記 —

 

 

 

実はアメリカ入国後のシカゴでの乗り換えの際に、チェックインカウンターで小さな問題が発生しました。

 

何か言われては面倒なので、姓名逆転してチケット予約してしまったことは特に申告せずに黙ってeチケットを提示したのですが、担当のスタッフさんが何度か名前を入力しては首を傾げています。何度目かにおそらく予約番号で検索してくれたようで、予約詳細がヒット。パスポートを受け取って予約内容と照らし合わせています。

 

何か言われるだろうか、成田空港で乗り換えも問題ないことは確認してもらっていますがここはすでにアメリカ。日本で言われたことが必ずしも通用するとは言えません。そして言われた言葉が。

 

 

 

“Is your first name Sorita and last name Takeru, right?”

 

 

 

正直に言って、どちらを名字でどちらを名前ですね?と聞かれたか不確かで正確に覚えているわけではありませんが、

 

 

 

“Yes, yes”

 

 

 

と言って頷くと、タカタカタカッとパソコンを叩いてくれて問題なく切り抜けることができました。他にも書いているひとがいましたが、アメリカ人(日本人以外の外国人)にとってぱっと見で日本人の名字と名前をどちらがどちらか判断するのは簡単ではありません。西洋人の名字と名前を我々日本人が判断できないことを考えればイメージしやすいでしょう。

 

そしてそれ以上に、入国管理官ならまだしも、海外で通常の空港業務に従事するスタッフたちが、そこまで業務に細かく一生懸命でないというのも事実です。

 

 

 

“Have a nice trip”

 

 

 

と言って、発行したチケットと一緒にパスポートを返してくれました。

 

やはり最大の山場は日本出国の空港。そこさえクリアできたならば、日本国外で姓名逆転を問題にされることはほとんど心配しなくてよさそうです。

 

 

 

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